子供の才能の開発:目標をやりとげさせる


 目標を自分でたてさせ、やり遂げさせる

 手段と目標とを分けて考える事が出来れば、手段についてとらわれない自由な考え方が出来るだけでなく、目標をもこだわりのない形で考えられるようになります。

 魚をおいしく焼く方法は一つに限ることではあるまいと思うとき、同時に魚がおいしく焼けたというのはどういう状態をいうのかも、従来の観念にとらわれない態度で考え直さなければならないのです。

● 目標は外から与えられない

 「創造性検査」とよばれるテストがあります。これは、一定の時間内に、円や正方形を部分として含む図形を出来るだけたくさん考えだす問題や、犬のおもちゃを示して、これをどのように改善すれば、もっとよいおもちゃになるかについての目新しいアイデアを求める問題や、物語にもっとも意外な結末をつける問題などから出来ているテストです。

 これらの問題は、“これが正答だ”という決まった答えがない点で、ふつうのテスト問題と違っています。

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 犬のおもちゃの改善を考える場合“何が正答だろう”と、一つの決まったものを探そうとしても無駄です。

 いろいろな可能性─突拍子もないと思われるものまで含めて─を探ってみなければなりません。ということは、目標が外側からはっきりした形で与えられていず、たんなる方向付けだけであいまいであるということです。

 そして、考えられるアイデア自体もどこまで目標にかなっているかどうかは不確かなのですが、“もっとも面白いおもちゃに“という目標の方向付けとその改善案とを見比べて、“これならぐっと良いおもちゃになる”とか、反対に“これはたいしたアイデアではない”とかいうことになるわけです。

 ライトマンという心理学者は、創造的思考というものは、問題がはっきり定義されていないような条件のもとで、問題を解決することであると述べています。

● 自分独自の目標を立てさせる

 目標の定義があいまいであるということは、しかし、目標がないということではありません。目標がはっきりした形で打ち出されていない以上、自分自身の問題として目標をつかまなければいけないのです。

 犬のおもちゃの改善の場合なら、”ひとつ、口としっぽを同時に動くようにしてやろう”というように、自分独自の目標を立てなくてはならないということです。創造的活動を行なうには、そのような態度や能力が必要なのです。

● 干渉せずに、やり遂げさせる

 さて、子供たちの生活を見ていますと、“自分独自の目標”を持つ事は、なかなか困難のようです。“あれをこうしなさい”“これはこうすべきよ”と、始終大人たちの干渉が入ってきます。

 子供が、せっかく自分なりの目標をつかんで何かをやっても、大人の要求が時を選ばず割り込んで来て、目標を達成するどころではありません。フォロー・スルー(やりとげる)が許されないのです。

 自分が見つけた目標を自分で達成できれば、誰が褒めてくれなくても、その経験自体が本当に楽しいものになります。子供は、さらに再び自分で目標を見つけて取り組んでいく元気を勝ち取るでしょう。

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 反対に、せっかく夢中になってやっているのに途中で打ち切られるのは、いやな不愉快な経験です。よほど個性の強い子供でない限り、しだいに自分独自の目標を立てて努力するのを諦めるようになるでしょう。

● “よい子”づくりで創造性を殺してはいけない

 大人が指示してくれる目標に、指示してくれた方法で努力していれば、中途でやめさせられてフラストレーション(欲求不満)を味わう恐れも少なく、うまくいけば褒めてもらえます。こうなれば、創造性どころではありません。

 勝手なことをしないで、言う事をよく聞く“よい子”をつくるには、親が預かり知らない何かに熱中していたら、うまくそれをやめさせて別の目標を与え、その方向に努力したらたっぷり褒めてやるとよい。

 そうすれば、よく訓練された飼い犬のように命令を待ち、喜々として命令通りに行動するようになるでしょう。

 このような教育にある程度までに成功している家庭、幼稚園、学校は少なくないと思われます。だが、親や教師はその“成功”を勝ちうるために、子供たちの創造的活動の能力を犠牲にしているということを反省してみる必要があるのではないでしょうか。

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