離乳の始め方


● 家族の協力
 離乳を始めるということは、赤ちゃんにとって大きな進歩ですから、その家族にも喜ばしいことの一つであるはずです。

 しかし世間にはまだまだ「いまから離乳なんてかわいそうに」と眉をひそめ、反対する老人などのいる家庭も見られるようです。「離乳─赤ちゃんからお乳を取り上げて別のものを無理強いする」と誤解されているためのようです。

 たしかに、孫が幸せそうにお乳を飲んでいるのを見て、目を細めていたおばあちゃんにとっては、「明日からいよいよ離乳を始めます」と若い嫁からいきなり聞かされては、びっくりして抗議も申し出たくなるでしょう。

 そんなときは、離乳の開始とは、赤ちゃんがさらに丈夫に育つために、お乳を与えながらも、お乳以外に栄養と消化の良い食べ物を、ほんの一さじずつから与えてみることとか、お乳ははじめのうちはこれまでと同じように与え、食べ物の量を少しずつ増やしていけば、赤ちゃんは満足な状態でしだいに乳離れができてゆくことを、よく理解してもらえるように話し合う必要があります。

 このような心遣いも、育児上のよい環境づくりの一つとして、家庭では大切なことです。

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● 歯が生える時期を目安にするのは遅い
 いま一つ、よく聞くことは、歯が生える時期と離乳開始との関係です。昔は「歯が生えはじめたら、やわらかい食べ物を与えるのがよい」といわれていたようです。

 ところが赤ちゃんの歯が生える時期はかなりまちまちで、6~7か月で生えはじめる場合もあれば、まれにはもっと早いこともあります。

 また9~10か月頃、時にはそれよりあとになってやっと歯が生えることもあり、これは健康状態とあまりかかわりなく、ひじょうに個人差のあるものです。

 ですから、歯の生えるのを待って離乳を始めるのでは、多くの場合、時期として遅れてしまいます。

 赤ちゃんの歯は、だいたい最初に前の中央下2本から始まり、次に中央上の2本が生えます。この間も何週かかかります。

 これらの乳歯だけで食べ物をうまく噛んで飲み下すことは、もちろんおぼつかないわけです。それで離乳食の与え始めは、歯のあるなしにかかわりなく、歯で噛むことを必要としないドロドロの半流動状か、ベトベトにつぶした糊状のものを、ほんの一さじ程度食べさせることになります。

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● 母親が模範をしめす
 もう一つ大切なのは、歯はまだ生えていなくても、母親自身の動作で、噛んだり飲み下すことを教えていくことです。与え始めの離乳食は、下と上あごのあいだで押しつぶしながら飲み込みやすい状態にします。

 けれども赤ちゃんにとっては、乳以外のものが口に入ってくるということは、異様な感じに違いありません。母親の顔を見ながら変な表情をするでしょう。このとき母親は、自分の口で物をかむような動作をしながら与えます。

 赤ちゃんは、離乳食にたいしていろいろな反応をしめすでしょうが、いつもいつも一口ごとに母親が見せてくれる咀嚼(そしゃく)の動作を見て、無意識のうちに、噛んでから飲み込むことを覚えます。

 赤ちゃんが一さじほどのものをいつまでも口の中に含んでいるようなときは、「早く呑み込んでしまいなさい、ママは忙しいのよ」などとイライラして見せるのは禁物。

 やさしく噛んでは飲み込む動作を見せ、楽しい雰囲気をつくってあげましょう。