幼稚園と保育所;保育所で起こりやすい問題点


 ホスピタリズムについて

● 症状は無表情、無気力…など

 乳児園や養護施設のような泊まり込み施設の子供には、多かれ少なかれ、無表情、無気力、ずんぐり型の体格といった共通の特徴がみられます。これはホスピタリズムといわれる症状で、養護する人との肌の触れ合いが少ないことが原因で起きるものです。

 保育所は家から通ってくる施設ですから、ホスピタリズムの心配はほとんどありませんが、これに似た症状を示す子供もときには見られます。次のH保育所のT君の場合はその典型的な例です。

 T君は、2歳になるとすぐ無認可保育所からこのH保育所へ変わってきました。お母さんのお勤めの関係から、朝は誰よりも早く、夕方は一番遅い居残り児。始めはおとなしい子だと思っていた保母さんは、やがてどうも他の子と様子が違うのに気がつきました。

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 ちょっと叱ると、叱られた姿勢のままいつまでも黙りこくっていたり、イスに掛けさせればいつまでもそのままの状態で、友だちやおもちゃに興味を示さないというありさまなのです。

 そこでお母さんと話し合ってみると、お父さんが育児や家事に非協力ということで、お母さんはくたくたに疲れているようでした。お母さん自身も、外で働くことが育児や家事より好きな人でした。いきおいT君に手をかけることが少なくなって、このような結果となったのでしょう。

 それからしばらくして、お父さんの転勤からお母さんは勤めをやめました。するとT君はすっかり活発な子になったのです。

 保母さんあてのお母さんの手紙には、T君は「毎日お母さんのそばを離れず、幼稚園にも行きたがらない」という事ですが、保母さんは、もうしばらくは思い切りお母さんに甘えさせてあげるのが、T君のためだと思ってそのように返事を書いたそうです。

● 預ける時間が長く年齢が小さいと起こりやすい

 この例でも明らかなように、ホスピタリズムは、子供の年齢が小さければ小さいほど、また施設に預ける時間が長ければ長いほど、起こりやすくなります。そして普通は、母と子の触れ合いを長くすれば、治るものです。

 長時間保育

● 望む声は高いが、母親との接触時間を考えると…

 例えば、「現在の保育時間は通勤時間を考慮していない」という理由で、長時間保育を希望する声が保護者の間から起こっています。各地でこの必要を認めて、数は少ないですがすでに実施されており、保護者に喜ばれています。

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 しかし、保育効果の点からは問題も多く、「子供のために良くない」と反対する保育所も多いようです。また、保母を増員しなければならないという問題もあります。

 これに対して、設備や技術を改善して専任の保母をおけば、保育時間が長くても害はない。なんといっても、送り迎えを他人に依頼する2重保育よりは、子供のために良いと主張する意見もあります。

 たしかに、長時間保育もやむを得ない現状ともいえますが、子供にとっては、母親との接触時間は多いほど良いことに変わりありません。ですから保護者の側も、できるだけ、時間の短い勤務やパートタイムに変えるなどの努力も必要でしょう。

 ゼロ歳児保育

● 母と子の触れ合いに問題がある…という意見

 ゼロ歳児保育は、心身ともに無防備な赤ちゃんを扱うので、幼児保育とは違った特別な配慮が、設備的にも必要となります。そのため、厚生省では、ゼロ歳児を扱う保育所は、調乳コーナー、浴室、子供一人当たり5平方㍍の匍匐室(ハイハイする部屋)を設け、保母は子供3人につき一人、その中に保健婦(または看護婦)を含むことを条件にしています。

 公立では、離乳が行なわれる7~8ヶ月から預かる所がほとんどですが、私立の中には、産休明け(2ヶ月)から受け付ける所もあります。

 しかし、赤ちゃんの健全な発育のためには、なんといってもお母さんが一対一で面倒を見るのが望ましいのです。

 授乳や入浴やおむつの世話といった母と子の愛情あふれる触れ合いが、赤ちゃんの心と体の健康には欠かせないものだからです。

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 また、子供の心に社会性が芽生えるのは3歳過ぎからで、3歳以前の子供にはあまり集団保育の効果は期待できません。以上のような理由から、ゼロ歳児保育は、子供のためには避けた方がよいということが言われています。

● 未熟な母親より経験豊かな保母が…という意見

 これに対して、長年、ゼロ歳児保育を行なってきた保育者は、意欲のある保母が保育をすれば、子供に悪影響はない。

 むしろ、体力の衰えたおばあちゃんや、育児に未熟で感情にむらがあるような母親が24時間世話をするよりも、子供のためによいし、またゼロ歳児といえども、子供同士の交流はあるので、それなりに集団保育の意義があるはずだと反論しています。

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