幼稚園と保育所;小学校入学の準備


● 「焦り感」を取りのぞくことが大切

 俗に「前足をかく」という言葉があります。スタートラインに並んだ、ダービー出場馬の焦りを表現した言葉です。私たち人間の世界でも、いわゆる「前足をかく」ことがよくあります。

 新しく何かに着手しようとする場合、人間は誰しも多少の焦りを持つものです。始めてわが子を小学校に入学させようという段階でも、決して例外ではありません。したがって「前足をかく」親がいないとは言えないのです。

 親がある種の焦りを持つとき、その焦りが子供になんらかの形で影響しないはずがありません。特に親の焦りの原因が、わが子の入学にかかわっている場合、入学する子供本人に影響しないはずはありません。

 この焦りは、親にとっても子供にとっても、決していいことでない事はもちろんです。なんとか、この焦りから解放されなければなりません。

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 昔から、「案ずるより生むがやすし」ということが言われています。わが子の入学についても、このことは言えるのです。必要以上の心配と、それによる焦りは取り除いていかなければなりません。

 そのためには、子供の入学にかかわる物心両面の準備について、いくつかの視点で分類・整理し、その一つ一つについて考えてみることが必要です。

 入学する喜びと自覚を持たせる

 「もうすぐ学校だというのに、いつまでも赤ちゃんで困ります。いったいどう指導したらいいのでしょうか」と言った質問をよく聞きます。

 こんなお母さんに限って、「○○ちゃん、もうすぐ学校へ行くんでしょ。こんな事じゃ駄目じゃないの」とか、「これくらいちゃんと出来なきゃ、学校へ行けませんよ」と、それこそヒステリックに、子供に小言をならべます。

 いや、小言程度であればまだしもいいのですが、ときとしては強迫的な態度で押し付けようとします。

 これでは、まったくお子さんがかわいそうです。小言や強迫的な態度で子供に入学する自覚を芽生えさせることは、まず不可能です。のみならず、子供は小学校生活への不安をかえって拡大し、入学することに対する恐怖さえ芽生えないとも限りません。

 子供に入学する喜びと自覚を持たせるためには、“否定よりも肯定”“注意よりも励まし”をモットーに、小学校生活への期待感を育てていくことが、なによりも重要です。

● 飛躍した期待と過保護は禁物

 「這えば立て、立てば歩めの親心」という言葉があります。親として、わが子の成長を願わぬものはありません。しかしこの親心は、ときとして親をめくらにしてしまうこともあります。

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 「這えば立て」「立てば歩め」ではなく、「這えば歩め」と、その子の力に即応しない飛躍した期待から、無理な課題を無意識のうちの押しつけたりする親がいます。成長のステップとペースを無視した焦りです。

 結果は、子供は親の過重な期待と課題によって押しつぶされ、劣等感を持ち、打ちひしがれて自ら歩む気力さえなくしてしまいます。

 これとは反対に、過剰な保護の問題があります。この過保護については、昔から「親の甘茶が毒となる」といましめ、「かわいい子には旅をさせよ」とか「ムチをおしまば子をそこなう」などと教えています。

 いずれにしても必要以上の思いやりや保護は、子供をいつまでも自立させることなく、被保護者として受け身の姿勢に終始させることになります。

 入学するのはいったい誰なのか、という素朴な問をしてみる必要があります。周りでわいわい言っても、子供にとってはさして役に立たないものなのです。

● 現在に自信を持たせるように

 「もうすぐ入学だというのに、うちの子にはまったくその自覚がない」とぼやく親がいます。そんな親のぼやきはナンセンスです。なぜならば、幼児は自分自身の置かれている現状を、はっきりつかむことはまだ不可能だからです。

 “自覚”というのは、「自己の置かれている一定の状況を媒介として、そこにおける自己の位置・能力・価値・義務・使命などを知ること」と広辞苑では説明されています。

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 幼児の段階では、現状における自己の位置や能力、あるいは自分の価値や果たさなければならない義務や使命など、わかるはずがありません。したがって“自覚する”ということは、たいへんむずかしいことなのです。

 いずれにせよ、幼児に自覚させることが困難だとすれば、なにも指導しないで放置してよいのか─というと、決してそうではありません。自覚していく方向に指導していく努力を怠ってはなりません。

 では、どのようにすればよいか、ということになります。それにはとりあえず、将来のこととはかかわりなく、現在の自分をはっきりと見つめ、現状の自分の力を見ることができるようにすることです。そして、その現状の自分に自信を持たせることだと思います。

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