乳児の栄養;母乳の長所


● タンパク質

 発育の盛んな赤ちゃんに欠くことのできない栄養素です。乳のタンパク質には、ラクトアルブミン、ラクトグロブリンという乳清タンパクとカゼインタンパクとがあります。比率のうえでは、母乳ではアルブミン、グロブリンが多いのですが、牛乳には母乳の約3倍のタンパクがあり、カゼインのほうが多いのです。

 カゼインは、赤ちゃんの胃の中で塩酸やペプシンの作用を受けて、固まりになります。赤ちゃんが乳を吐いたときにみられる、「豆腐の固まり」のような白い固まりがそれで、これをカードといいます。

 母乳のカードは細かくてやわらかい、つまりソフトカードですが、牛乳のカードは大きくて硬いハードカードです。カードは大きくて硬いほど胃の中での消化に時間がかかり、胃を通過する時間も長くなるのです。

 しかし市販の育児用のミルクは、製造中に牛乳カゼインのソフトカード化が行なわれており、赤ちゃんが消化利用しやすいように調製されています。

 タンパクを作っているアミノ酸もいろいろありますが、母乳と牛乳ではたいへん違います。シスチン以外のアミノ酸は全部母乳より牛乳に多く含まれています。

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 ただ母乳中のシスチンだけは牛乳の約2倍ですが、牛乳には赤ちゃんの体内でシスチンに変わるメチオニンが、母乳の約3倍もありますので、シスチンが少なくても栄養上たいして心配はないといわれています。

● 糖質

 糖質は赤ちゃんのエネルギーの基になるものです。母乳・牛乳ともに乳糖の形で含まれていますが、含有は母乳では牛乳の約2倍です。

● 脂肪

 これも主としてエネルギーの基になるものです。含有は母乳・牛乳ともに3.5%で差がありませんが、脂肪を作っている脂肪酸の種類が違います。

 母乳に多い不飽和脂肪酸の中で、リノール酸・リノレン酸・アラキドン酸は必須脂肪酸といわれ、体内で合成することができません。従って必ず食事から摂らなければなりません。この点も、母乳が優れているわけです。

 また、不飽和脂肪酸は、未熟児や新生児の腸管からも飽和脂肪酸よりもよく吸収されることが分かりましたので、最近の育児用ミルクは牛乳脂肪を取りのぞき、代わりに不飽和脂肪酸の多い植物油を加えてあります。

 脂肪は乳の中では脂肪球を作ります。母乳の脂肪球は非常に小さいのですが、牛乳のは大きいので放置しますと表面に分離してしまいます。しかし、最近の市販牛乳はホモ(ホモゲイナイズ)牛乳といって、牛乳を細管から高圧で噴出し、脂肪球を微細にしてあります。

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● 灰分

 灰分は、身体の発育のもとになり、また機能を正常に保つのに必要です。牛乳の灰分含有は母乳の約3倍です。なかでもカルシウムは約4倍、リンは約6倍も多いのです。

 しかしながら、母乳にはこれらが適当な割合で含まれていますので、利用率は牛乳より優れています。鉄と銅は例外で、母乳に多く含まれています。

● ビタミン

 成長発育に欠かせないもので、不足するといろいろの障害があらわれます。ビタミンA・C・D・E・ニコチン酸アミドは母乳に多く、B1・B2・B6・B12・K・パントテン酸は反対に牛乳に多いのです。

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