体を作る遊び;幼児の運動遊び


● 体を作りの基本になる遊び
● 敏しょう性を伸ばす遊び
● 平衡感覚や柔軟性を養う遊び

 幼児にとって、遊びこそ生活の全てです。知能をはじめ、社会性や情緒、創造性、意志の力、勇気、決断力など、大切な心の働きは、遊びを最高の栄養源として基礎が作られます。

 幼児の運動も、遊びの中で行なわれます。むしろ、遊びは運動の形をとるものが大半だといってもよいでしょう。ですから、運動は、ただ体作りだけに役立つものと考えたら大きな間違いです。

 体と心は常に重なり合い、相互に刺激し合いながら、一緒に成長していくものなのです。

 やっと一人歩きをし始めた幼児を散歩や買い物に連れ出すと、途中で走ったり立ち止まったり、道ばたの山に登ったり、草むらに入り込んだりします。

 これも、その発達段階の幼児にとっては適当な運動遊びになっているのです。あまり先をせかせないで、ゆっくり見守ってあげるくらいの余裕がほしいものです。

 また、やや成長して激しい戸外の遊びをするようになると、女の子にそれを禁止するお母さんもいます。しかし、思う存分運動遊びをするのは、男の子にも女の子にも必要なのです。遊びの上に、誤った躾をもちこんでほしくないと思います。

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 細心さと大胆さと─親に必要な二面の配慮

● 幼児の体は未熟な部分が多い

 幼児は、運動神経などはかなり発達しているのですが、筋肉の力や骨(とくに関節のかみ合わせ)、内臓(とくに循環器系─心臓、呼吸器系─肺、など)はとても未熟です。

● 体の発達にあわせた運動遊び

 したがって、体の一部分(腕や頭など)で体全体を支えたり、高い所から飛び降りたり、マラソンのような内臓に大きな負担をかけたりするようなものなどは、少なくとも4歳以前には好ましくありません。

 いつでも、子供の体の発達状況にあわせた運動選びをする“さりげない”配慮が必要です。

● 休息と栄養にも心づかいを

 体の働きが未熟なだけに、激しい長時間の運動には向きません。体の発育には、休息と栄養も必要であることをお忘れなく。疲れが見えたら必ず休ませましょう。

 思う存分遊んで疲れても、休息と栄養さえ十分なら、幼児の疲労の回復は驚くほど速いものです。

● 多少の危険を恐れない大胆さも必要

 ただ、いままで述べてきたような注意は、必要以上に過保護的な傾向を助長することにもなりかねません。

 いささかの危険はあっても、荒々しい運動遊びの中に子供を投げ込むだけの大胆さも、大人には必要です。

 子供の体をたくましく鍛え上げ、勇気や自信、意志力や、“根性”を育て、あらゆる冒険(精神的なものを含め)や未知への挑戦を喜びとする強い心は、このような大人のバックアップなしには養われません。

 「子供が転んだり、頭にこぶをこしらえたり、鼻血を出したり、指を切ったりしても、私はあわてて子供のそばに駆け寄るようなことはしないで、少なくともしばらくの間は、落ち着いて体を動かさない。災難はおこってしまったのだ。子供はその必然に耐えなければならない。(中略)

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 この時期においてこそ、人は勇気を持つことを最初に学び取り、少しばかりの苦しみを恐れずに耐え忍んで、やがてはもっと大きな苦しみに耐えることを学びとる。私はエミールがけがをしないように注意することはしまい。

 かえって彼が一度も怪我をせず、苦痛というものを知らずに成長するとしたら、これはたいへんに困ったことだと思うだろう。

 苦しむこと、それは彼が何よりもまず学ばなければならないことであり、それを知ることこそ、将来もっと必要になることなのだ。子供の体が小さくて弱いのは、そうした教訓を危険を伴うことなしに学び取るためにほかならないのではないか」
(ルソー「エミール」今野一雄訳)

● 育児における“両極性”を踏まえて…

 大人に要求されるこうした細心さと大胆さとは、決して矛盾しあうものではありません。育児とは、もともと、このような一見矛盾するような二つの面を持っているのです。

 どちらか片方だけが強くなりすぎてもバランスは崩れ、望ましい方向への発達ははばまれてしまいます。

 特に、体を作る遊びには、この二つの面があるということをよく知って、子供が遊びを楽しく感じるような指導をすることが大切です。

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