子どもの性格-性格は決められない

 ある一人の子どもがどんな性格なのか?これは簡単に決められません。性格は形のある“もの”ではなく、また、だれが見ても同じように見えるとも限りません。

● 性格をあらわすことばの側面
 ”太郎君はおとなしい”といっても、そのことからある人は“素直でやさしい”子どもを想像し、ほかのある人は“神経質で消極的な”子どもを思い浮かべるかもしれません。

 性格の特徴はことばで表されますが、そのことばのそれぞれにはいろいろな面があり、伝える人の印象と聞く人の印象と違ってしまうことが多いのです。

意志が強い がんこ 慎重 ぐず
積極的 ずうずうしい 活発 やかましい
思慮深い 内気 すなお 優柔不断
ねばり強い 執念深い    


 というように、一つの表現がいい意味にも、悪い意味にもとられるのです。


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● 時間をかけなければわからない
 複雑なのは、性格を表現することばの問題だけではありません。その子の本当の姿は、時間をかけて観察しなければよく分からないということでもあります。

 性格は行動をとおして表現されますが、行動はそのときの状況によって大きく左右されるのです。

 たとえば、5歳になる子どもが久しぶりに祖父の家に行って、たいへん行儀よく神妙にふるまっていたとします。しかし、「この孫はおとなしい子だ」と思った祖父は大間違いで、彼は幼稚園ではまことに活発で、激しいいたずらをします。彼にしてみれば、家を出るときに「お行儀よくしなければ、おじいちゃん怖いよ」と聞かされていたし、その家の様子もよくわからなかったので、おとなしくしていたにすぎません。

 また、ある子どもは年上の子どものいうことには従順ですが、ところが相手が年下になると威張り散らします。

 従順―威張る、という全く矛盾したものがこの子の中に同居していて、場面によってそれぞれが表に出てきます。しかし、これは“意気地のない”子どもによくあることで、強い子に服従し、弱い子には高圧的に振る舞うのです。本質は“意気地なし”なのです。

● 見かけだけからは分からない
 たとえば、色の黒い子は元気がよくて活発で、色の白い子は神経質で女性的だと、見た目で性格まで即断しがちです。しかし、肌の色と性質とは、本来なんの関係もないことなのです。

● 性格は外部からも自分自身の気持ちからも影響される
 性格は、それぞれが生まれつきの素材をもっていて、それが長い成長の過程でさまざまな外部からの作用を受けて作られていきます。

 また、自分の欠点や短所を自覚して、それを改めようと努力して性格が変わることもあれば、信じていた人に裏切られたり、家庭内に突発的な不幸があって、がらりと変わることもあります。

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● よい性格ー5歳児の場合の目安として
 よい性格といっても、けっして単純に割り切れるものではありませんが、5,6歳児の一応の目安としては、だいたい次のようになるでしょうか。

・気分に安定感がある
 ときには友達と激しく争うことはあっても、だいたいは気持ちが穏やかで、友達にあたたかい心配りをする。

・創造力に富んでいる
 好奇心が旺盛で、”どうしてだろう”“なぜだろう”と一生懸命に考え、自分なりに考えてみようとする前進的な意欲を持っている。

・友達とよく遊べる
 友達とよく遊ぶためには、言うべきことはきちんと言える自己主張と、ゆずるべきところは我慢してゆずる自己統制が必要です。

・明るい、やわらかみがある、誠実である、健康に恵まれている
 以上のような性格は、やはりからだの健康を土台にし、家庭での愛をとおしてつくられることは言うまでもないでしょう。

● 悪い性格ー5歳児のばあいの目安
 悪い性格というものは、よい性格のだいたい反対のものを考えればよいわけです。

・気分に安定感がない
 短気、攻撃的、わがまま、自己中心的。

・集中力がない
 あきっぽい、長続きしない、移り気。

・言い訳が多い
 弁解ばかりして、自分の非を認めないような子どもにも、発展性は乏しいようです。

・いじけている、ひねくれている、ずるい、友達と遊べない、意地が悪い
 このような子どもを調べてみると、たいていは親の育て方や、家庭の雰囲気の中に問題が発見されます。