子どもの性格-遺伝か環境か

● “ウリのつるにナスビはならぬ”と“氏より育ち”
 「カエルの子はカエル」とか「ウリのつるにナスビはならぬ」ということわざは、親の性質や才能に似たものが子どもに早くから表れた場合にいいます。これは、生まれつきー遺伝ーを主張している立場です。

 反対に「トンビがタカを生んだ」とか「氏(うじ)より育ち」というのは、人となりは遺伝よりも後天的なもの、つまり、どんな環境に育ったかを重く見る立場です。

 たしかに、からだの特徴というものは、たとえば血液型のように確実に遺伝するものもあります。顔立ちや体格も遺伝しやすいものです。しかし、性格や知能などの心の特徴は、どんな仕組みで親から子へ伝えられるのか、いまのところはっきりしていません。

● 一卵性双生児のばあい
 一卵性の双子は、遺伝がまったく同じである個はご存知の通りです。この一卵性の双子は、それぞれに違った環境の中で成長しても、かなりよく似た性格に育つものです。これは、性格をつくるのに、遺伝が大きく作用することを示しています。

 いっぽう、一卵性の双子の片方の子が虚弱で親がかわいがりすぎると、その子は依存的(人に頼りがち)になります。また、片方を兄、他方を弟として扱っていると、成長するにつれて、兄のほうは自制心、控えめ、責任感などの特徴があらわれ、弟のほうは快活、社交性、依存的な傾向などが出てきます。

 これは、性格形成には、環境が強く作用することを物語ります。

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● 子どもは親から学んでいる
 親も子も“神経質である”とか、”せっかちだ”とか、心のうえの特徴が似ていても、すぐに遺伝であると判断するわけにはいきません。神経質な親に育てられると、子どもは毎日それを見習っていて、しだいにそのような性格を形づくっていく、という点も見逃せません。

 ”母親の育て方を見れば、その子の状態は分かる“といわれるのは、育児態度ーつまり子どもにたいする親のあり方の重要性を指摘したものでしょう。

● 子ども自身の意志も作用する
 家庭環境だけではありません。友人、地域、宗教、本人や両親の健康状態など、子どもをめぐるあらゆる条件が、その子の性格形成に関係します。

 そのほかに忘れてならないのは、本人の“意志”です。”背が低い”というのは遺伝の結果です。しかし、「チビ! チビ!」といわれて消極的な人嫌いになるか、発奮して負けず嫌いになるかは、本人の気の持ちようが大いに関係してきます。

 <生まれてしばらくの環境が重要>

 子どもの性格は“遺伝か環境か”という問題は複雑です。ひと口に性格といっても、遺伝によって決まりやすい特徴もあれば、環境が左右しやすい特徴もあります。

 しかし、いま目の前の問題は、現在ここにいる赤ちゃんや子どもを、どう育てていくかということです。

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● 乳幼児期に性格の基礎が固まる
 最近では、生まれてから比較的早い時期の環境条件が重要なのだとされています。

 乳幼児というものは、自分の力では何一つできないほど無力な存在であり、親にすっかり依存していますし、親の仕向け方によってどのようにでもなるという柔軟性を持っています。

 こう考えると、子どもの発育段階が低ければ低いほど、環境ーことの家庭環境は性格づくりに大きく影響するはずです。

● はやくから素質の開発に努力する
 現在ここにいる赤ちゃんをどう育てるかという問題は、その赤ちゃんのもって生まれた、つまり遺伝による素質を、最大限に発揮させるにはどうしたらよいかという問題です。

 生まれつきの素質といっても、その限界はそこかにあるはずです。しかし、その素質を開発する努力、いいかえれば環境づくりに努力しない限り、素質はその限界いっぱいまで発揮されることもありません。