幼児期の知能の発達:幼児と数


 子供が100や200まで数を唱えられると、もう数のことは充分に理解していると安心する親が少なくない。しかし、そらで数を唱えるということと、数を理解するということは別である。

 数は物の集まり(集合)の多さや、物の順序を表すもので、抽象的な意味を持っている。数を数える場合は、まずこの二つの性質を理解させることに目標をおきたい。

● 初めは数よりも量の意識

 一つと二つ以上の区別は、1歳半頃になると出来るが、二つ以上は「たくさん」としか感じられない。さらに進むと、二つと三つ以上の区別が出来るようになる。この場合も、三つ以上は常に「たくさん」としか感じられない。

 つまりこの頃は、数というよりも漠然とした量として意識しているにすぎない。

● 数え方は大人の真似

 一つ、二つ、…という言葉は、2歳頃から覚える。初めのうちは、数詞を使って数えるという動作を真似しているだけで数が分かっている訳ではない。

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 数詞を覚えた幼児でも、数詞と数える物とが対応していない。「ひとーつ、ふたーつ」と言いながら、指は四つ目、五つ目をさしていることがよくある。

● 数が分かるという事は

 すらすらと、どんな大きな数まで唱えることが出来ても、次のような課題(スイスの心理学者ピアジェの行なった研究)が出来ないと、数が正しく分かっているとはいえない。

・ 1対1対応
 物と物を1対1に対応して並べることが出来るか。

・ 数の保存
 物の並べ方を変えても、数は変わらないということが理解できるか。

 子供が、1対1対応と数の保存の課題に正しく答えられるためには、三つの発達段階をたどるといわれる。

● 発達の第一段階(4歳頃)

 正確な1対1対応はできない。

 2集合の比較は大ざっぱで、物の大きさや並べ方に左右される。

 反応例
・ 多数の花を子供に持たせ、10個の花瓶の前に1本ずつ置かせると、間隔をつめて13本置いてしまった。

・ そこで、この幼児に「花と花瓶の数は同じか」と聞くと、花と花瓶の列が同じ長さに並んでいるので「同じだけある」と答えた。

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・ 次に花瓶に、花を1本ずつ入れ、あまった3本を片付ける。

・ 花を花瓶から取り出して、まとめておき、「花は花瓶と同じか」と聞くと、「花瓶のほうが多い」と答えた。

 この例は、花と花瓶の数の比較が大ざっぱで、数の保存が分からないことを示している。

● 発達の第二段階(5歳頃)

 1対1対応はできるが、数が多くなると間違ってしまう。

 集合の並べ方を変えるだけで、数も変わってしまうと思っている。

 反応例
・ びん6個とコップ6個の1対1対応が正しく出来たので、「どちらが多いか」と聞くと「同じ」と答えた。

・ 次にコップだけをひとまとめにして「同じだけあるか」と聞くと、「ビンのほうが多い」と答えた。

・ そこで、びんとコップをそれぞれ数えさせると、どちらも正しく「六つ」と数えられた。

・ もう一度「どちらが多いか」と聞くと、やはり「ビンのほうが多い」と答えた。

● 発達の第三段階(6~7歳)

 1対1対応を正しく行なう。

 数の保存も正しく理解する。

 反応例
・ 花と花瓶の対応が正しくできた。

・ 対応後、花をまとめたり、花の間隔を広げて、花瓶の列よりも長く並べ、「どちらが多いか」と聞くと「花をたしたり、取ったりしなかったのだから同じ」と確信を持って答えた。

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