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 <離乳の意味>

 母親が「育児」という長期にわたる大事業に取り掛かるばあいに、いつでも忘れてならないのは、赤ちゃんに生理的な満足を与えてあげる、ということです。

 汚れたおむつを取り替える、空腹を満たしてあげる、こころよい環境をつくってあげる、みなこれにあたります。

 ところで、赤ちゃんも生後5〜6か月ごろになると、それまで全面的に母親にたよっていたお乳だけの栄養では、とても発育に追い付かなくなってきます。

 また、赤ちゃんも、お乳以外の食べ物にたいする欲求をあらわしてきます。こうして、母親からの独立の第一歩ともいえる「離乳」という最初の試練が訪れます。

 <離乳はなぜ必要か>

● 乳汁以外のものを赤ちゃん自身が要求する

 生後2〜3か月ごろまでは、乳汁が赤ちゃんにとってもっとも大切な栄養源ですが、成長するにつれて乳汁だけでは、赤ちゃんの発育をじゅうぶんに満たすことがむずかしくなってきます。

 4〜5か月ごろになると唾液や胃液の分泌が増加してきて、乳汁以外の物を消化する準備もそなわってきます。そして5〜6か月ごろになると味覚も発達してきて、固形食にたいする関心と欲求をあらわすようになります。

● 乳汁だけでは赤ちゃんの発育に追い付かない

 このように赤ちゃんのほうに、微妙ながら乳汁以外の栄養への要求があらわれてきているのに、母親は習慣的に、あるいはまだ早いといった恐れから、ときには母乳が非常によく出るといった理由などから、いつまでもお乳だけを与えがちです。

 お乳だけにたよっていると、赤ちゃんは顔の色つやが悪くなり、手足なども一見太っているようでもピチピチした弾力性が少なくなり、とくに大腿部(もも)や上腕部(二のうで)の肉付きがぶよぶよしてやわらかく、眼の光りにも活気がうすれて、どことなく元気のない、よく泣く子になります。
 
 お乳の分量としては胃袋にタップリいっぱい飲んだとしても、すぐに月齢にたいする発育上の必要栄養素が、乳汁からとるだけでは不足であるという信号が、上のようなさまさざまの現象として、赤ちゃんにあらわれてくるのです。
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● 離乳期は生後5〜6か月から満1歳ごろまで


 このような、いわば栄養失調のようなようすが赤ちゃんにあらわれないうちに、母親は離乳への準備を心がけておくことです。

 適当な時期に急がず適切な手段で、乳汁依存の栄養から、一歩ずつ乳以外のものに慣らしていきます。そしてさらに進めて、ひろく多くの食品によって完全な栄養を取らせるようにと、移行させていく努力をしなければなりません。

 お乳からしだいにほかの食事へと移し進める期間─これを「離乳期」とよび、だいたい、どんな赤ちゃんでも生後5〜6か月から始まって、満1歳ごろに完了するのが標準とされています。しかし、じっさいにはこれより前に準備期間をもたなければなりません。

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これはあくまでも標準であり、目安に過ぎません。
一人ひとりの子どもは、多少とも標準からはずれながら成長を続け、
やがて健康な少年少女に育っていくというのが、実際の姿です。

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