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 親になるにあたってぜひとも考えておきたいことは、子どもとはなにか、子どもを育てる目的はなんであるかということです。いうのは簡単ですが、これは人生観と同じようなもので、そう短時間に結論が出るものではありません。

 けれども、一応自分なりの考えをまとめておいていただきたいのです。実際に子どもを育てている間に、また考えが変わるかもしれません。育児を体験したら、変わるのも当然といえます。

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● あなた自身の子ども観、育児観は?
 親自身の子ども観、育児観をある程度まとめておかないと、育児をめぐるいろいろな問題にぶつかったときに困ります。あなた自身の子ども観や育児観にてらして判断をしなければならないからです。判断の基準がなければ、どうしてよいかわからなくなります。人の云うことを単純に鵜呑みにすることになります。

 育児観は、それぞれの親自身の考えでなければなりません。人生観と同じように絶対に正しい育児観というものはありません。

 結婚した以上、子どもを育てたほうが良いと思います。子どもを育てることによって、親自身も大きく成長することができるからです。また、人間という種を保持し、発展させるためにも子どもを生まなければなりません。

 子どもを生んだ以上、責任をもって育てなければなりません。責任をもってということは、どんなに苦しくても途中でやめないで、子どもが社会人になるまでしつけをし、教育をしていくということです。

● 社会に通用する人間に育てる
 子どもをしつけ、教育する目的は、子どもを社会に通用する一人前の大人に育て上げることです。ことばを変えれば、自分で自分の人生を責任をもってつくっていける人間にすることです。

 そのためには、まず住んでいる社会の文化(習慣、風俗、暮らし方、人との付き合い方など)を身につけなければなりません。この過程は、「社会化」とも呼ばれています。社会の文化を身につけて、はじめてその社会に通用する行動ができます。それぞれの社会は、独特な文化をもっています。

 私たちの子どもは日本人であり、日本で生活する時間が長いことが予想されますので、まず日本の文化を教え込むことが必要です。具体的にいえば、正しい日本語を話し、読み書きができる、食事は箸を使い、知人に会えばお辞儀をし、「こんにちは」とか「さようなら」と挨拶ができる、という子どもにしたいのです。

 「社会化」は、その社会のなかで長い時間をかけて形成され、受け継がれてきたことを教えることです。どうしても保守的、伝統的な色彩をもっています。そのために、「社会化」は規格品をつくる教育で、大切なのは個人の持つ個性を伸ばす教育、「個性化」であるという主張もあります。

 確かに「個性化」も大事です。けれども、いくら個性的な人間であっても、社会に受け入れられなくては、せっかくの個性を発揮することができません。社会で有効に働く個性こそ、ほんとうの個性といえましょう。

 まず「社会化」というのは、社会に受け入れられる個性をつくろうということです。個性を生かした「社会化」もあるはずです。「個性化」を急ぐあまり、社会化されていない人間をつくってもなんにもなりません。

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● 子どもに多くの可能性を与える
 このような気持ちで育てていけば、20歳前後には、親や家庭から独立して、自分の力で生きていけるようになります。社会のなかに巣立っていくのです。それからあとの子どもの人生は、子どもの責任です。親は干渉する必要はりません。

 どのような人生を選択するかは、子どもの責任ですが、親としては、できるだけ多くの可能性を残しておきたいものです。子どもの個性を尊重した「社会化」がきちんと行われていれば、かなり範囲の広い可能性を残しておくことができます。